海外安全性情報速報
JAPIC Pharma Report 海外医薬情報（速報）

No.691　2009年6月25日発行

承認関連情報

FDA／FDA ALERT（2009.6.17）

米FDA，Bristol-Meyers Squibbの抗生物質Maxipime（Cefepime）による死亡リスクの上昇はみられなかったと発表 FDAは2007年に，本剤が死亡リスク上昇に関連する可能性があるとの研究結果を受けて安全性レビューを開始していたこと，研究データを再評価し，追加的解析を実施した結果，データはcefepimeを投与した患者において死亡リスクがより高いことを示していないと判断したことなど。

FDA／MedWatch（2009.6.19）

米FDA，Hi-Tech Pharmaceuticals，Inc.の栄養補助食品Stamina-Rx（全ロット）の米国内における自主回収を発表，申告されていない成分Benzamidenafilが含まれていたとして

安全性情報

2型糖尿病の経口剤併用療法におけるRosiglitazone（Avandia）の心血管系転帰の評価：多施設無作為化オープンラベル試験（RECORD試験）

RECORD Study Team：Home P. D.（Newcastle Univ.，Newcastle upon Tyne／UK），ほか Lancet（9681）2125－2135／（2009．6．20） 2型糖尿病患者において，metforminまたはsulfonylureaを用いた血糖降下療法にrosiglitazoneを加えると，主に女性で心不全および骨折のリスクが上昇した。 ※編集部注：同誌同号p. 2088にRetnakaranらの論評が掲載されています。

Case Records of the Massachusetts General Hospital： Hydroxychloroquineによる急性汎発性発疹性膿疱症；水疱性の皮膚発疹を生じた79才の女性

Avram M. M.（Harvard Med. Sch.／USA），ほか N. Engl. J. Med. 360（26）2771－2777／（2009．6．25）

Fesoterodineとの薬物相互作用の評価：3つのPhase I試験

Malhotra B.（Pfizer Inc.，New York／USA），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 65（6）551－560／（2009．6） Fesoterodineと，CYP3A4の阻害剤ketoconazole，誘導剤rifampicinおよび基質ethinylestradiol／levonorgestrel（Minidril）との薬物相互作用を評価した結果，ketoconazoleとの併用によるfesoterodineの活性代謝物5-HMTのCmaxおよびAUCの増加，rifampicinとの併用による5-HMTのAUCおよびCmaxの低下がみられたことなどについて記載されている。

SilymarinがLosartan（Cozaar）とその活性代謝物E-3174の薬物動態に及ぼす影響：中国の男性健常志願者における無作為交差試験

Han Y.（Central South Univ.，Changsha／China），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 65（6）585－591／（2009．6） SilymarinはlosartanからE-3174への代謝を阻害し，この相互作用の程度はCYP2C9の遺伝子型（CYP2C9*1/*1，CYP2C9*1/*3）によって異なっていた。

OmeprazoleのCYP2C19とCYP3A4活性に及ぼすAllicin（Allimax）の影響：CYP2C19の遺伝子型が異なる中国の男性健常志願者における無作為交差試験

Yang L. J.（Central South Univ.，Changsha／China），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol.65（6）601－608／（2009．6） Allicinは，特定のCYP2C19遺伝子型の保有者において，CYP2C19活性の阻害により，omeprazoleの代謝を低下させたことなどについて記載されている。

QuercetinがP糖タンパク基質Fexofenadine（Allegra）の薬物動態に及ぼす短期影響（Quercetinとの併用によるFexofenadineのCmax，AUC増加など）：健常志願者における無作為交差試験

Kim K. A.（Korea Univ. Coll. Med.，Seoul／Korea），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol.65（6）609－614／（2009．6）

妊娠早期の母親による降圧剤の使用と分娩時の転帰（特に新生児における先天性心疾患）：コホート研究

Lennestal R.（Univ. Umea，Umea／Sweden），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 65（6）615－625／（2009．6） 降圧剤を服用中の妊婦において，胎盤早期剥離，分娩後出血，早産，死産，新生児の心臓血管異常などのリスク増加がみられたことについて記載されている。