海外安全性情報速報
JAPIC Pharma Report 海外医薬情報（速報）

No.693　2009年7月9日発行

承認関連情報

FDA／Advisory Committees／June 29-30，2009 Meeting of the Drug Safety and Risk Management Advisory Committee

米FDA諮問委員会，Acetaminophen（Paracetamol）投与量の引き下げを勧告，致死的な（肝障害を引き起こす）過量投与を防止するため

FDA／MedWatch（2009.7.1）

米FDA，Varenicline（Chantix）およびBupropion（Zyban，Wellbutrinおよびジェネリック薬）について，重篤な神経精神症状リスク（行動変化，反抗，興奮，抑うつ気分，自殺念慮および行動，自殺未遂など）を強調する枠囲み警告の追加，Medication Guidesの作成などを要請

FDA／MedWatch（2009.7.1）

米FDA，糖尿病患者におけるLantus（Insulin Glargine）の使用と癌リスクの可能性について調査した，最近発表された4つの観察研究について，医療専門家および患者に通知

FDA／MedWatch（2009.7.7）

米FDA，Propoxypheneと致死的過量投与を結びつけるデータにより，Propoxyphene含有鎮痛剤（Darvon，Darvocetなど）を使用している患者における過量投与のリスクを低減させるための措置を講じていることを，医療専門家に対して通知

EU・EMEA／PRESS RELEASE（2009.6.26）

EMEA・CHMP，以下の医薬品などについて承認勧告，2009年6月会合にて ・ChondroCelect（in vitroで増殖させた軟骨細胞（軟骨形成細胞）から成る細胞ベース医薬品）：TiGenix NV；膝における症候性の大腿骨顆部の軟骨欠損の修復。 ・Cimzia（certolizumab pegol）：UCB Pharma SA；関節リウマチ治療用として。 ・Javlor（vinflunine ditartrate）：Pierre Fabre Medicament；尿路上皮腫瘍治療用として。 ・Onglyza（saxagliptin）：Bristol-Myers Squibb/AstraZeneca EEIG；2型糖尿病治療用として。 ・Simponi（golimumab）：Centocor BV；関節リウマチ，乾癬性関節炎および強直性脊椎炎治療用として。 ・Cayston（aztreonam lysine）：Gilead Sciences International Ltd.；嚢胞性線維症の成人におけるPseudomonas aeruginosaによる慢性肺感染の抑制治療用として。 ・Avastin (bevacizumab)：Roche Registration Ltd.；転移性乳癌の第一選択治療としてdocetaxel化学療法との併用療法に追加。また，一部の結腸直腸癌，腎臓癌および非小細胞肺癌の第一選択併用治療として（適応拡大）。 ・Januvia (sitagliptin)，Tesavel (sitagliptin)，Xelevia (sitagliptin)：Merck Sharp & Dohme；metforminが禁忌または不耐容により奏功しない2型糖尿病患者における単剤療法（適応拡大）。 ・Xolair (omalizumab)：Novartis Europharm Ltd.；現在の適応（成人および12才以上の思春期患者における重度の難治性アレルギー喘息の管理改善のためのadd-on治療）を小児について6～12才未満に拡大（適応拡大）。

FDA NEWS RELEASE（2009.7.2）

米FDA，Sanofi-Aventisの心房細動／心房粗動治療薬Multaq（Dronedarone）を承認

FDA NEWS RELEASE（2009.7.6）

米FDA，Eli Lilly & Co.のAlimta（Pemetrexed）を進行または転移性の非小細胞肺癌患者の維持療法として承認（適応拡大），同適応では初の承認

安全性情報

悪性症候群vs悪性疾患：特異的か同時か？；Lithium Carbonateにより悪性症候群を発症し，結腸直腸癌で死亡した1症例の報告

Shintani F.（Tokyo Musashino Hosp.，Tokyo／Japan），ほか Lancet（9683）90／（2009．7．4）

Brief Report：遺伝子治療臨床試験における死因の調査；関節リウマチ治療のためAdalimumab投与を受けており，遺伝子治療用tgAAC94の臨床試験中に死亡した1症例の調査報告

Frank K.M.（Univ. Chicago Med. Cen.，Chicago／USA），ほか N. Engl. J. Med. 361（2）161－169／（2009．7．9） Adalimumabによる全身治療が明らかなリスク因子であり，患者は出血性合併症と多臓器不全を伴う播種性ヒストプラスマ症の結果死亡したことなどについて記載。 ※編集部注：同誌同号p.193にHohmannの論説が掲載されています。

抗CTLA4抗体（Ipilimumab）誘発性のループス腎炎：1症例の報告

Fadel F.（Hopital Necker，Paris／France），ほか N. Engl. J. Med. 361（2）211－212／（2009．7．9）

Fluvoxamine－Alprazolam相互作用の程度に喫煙とCYP2D6遺伝子多型が及ぼす影響：心身症患者における検討

Sugahara H.（Kyushu Univ.，Fukuoka／Japan），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 65（7）699－704／（2009．7） Fluvoxamine－alprazolam相互作用の程度は，fluvoxamineの濃度／用量比を変化させる喫煙により影響されるため，非喫煙者は喫煙者に比べてより大きな薬物相互作用を示す可能性がある。

外来患者の薬物有害事象による救急診療部受診に関する地域サーベイランス：コホート研究

Capuano A.（Second Univ. Naples，Naples／Italy），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 65（7）721－728／（2009．7） 重篤な薬物有害事象は救急診療部受診の20．8％でみられ，抗生物質，NSAIDsおよびレニン－アンジオテンシン系に作用する医薬品が薬物有害事象の多くに関与していたことなどについて記載されている。

Montelukast（Singulair）：自殺傾向とその他の精神的有害反応

Health Canada，Canada Canadian Adverse Reaction Newsletter（Volume 19，Issue3，Jul. 2009／4pp）

Triamcinolone Acetonide（Kenalogおよびジェネリック製品）の硝子体内注射と重篤な眼の有害反応（網膜剥離，硝子体出血など）

Health Canada，Canada Canadian Adverse Reaction Newsletter（Volume 19，Issue3，Jul. 2009／4pp）

Fentanyl経皮パッチ（Duragesicおよびジェネリック製品）と小児の暴露事故

Health Canada，Canada Canadian Adverse Reaction Newsletter（Volume 19，Issue3，Jul. 2009／4pp）