海外安全性情報速報
JAPIC Pharma Report 海外医薬情報（速報）

No.708　2009年10月29日発行

承認関連情報

EMEA／PRESS RELEASE（2009.10.23）

EMEA・CHMP，Biogen Idec Inc.およびElan Corp. PLCの多発性硬化症治療薬Tysabri（Natalizumab）のレビューを開始，以前に開示されていたよりも多数（23件）の進行性多巣性白質脳症（PML）があるとして

EMEA／PRESS RELEASE（2009.10.23）

EMEA・CHMP，以下の医薬品などについて承認勧告，2009年10月会合にて ・Scintimun（besilesomab）：CIS bio international；骨髄炎が疑われる成人患者における末梢骨の炎症／感染部位を特定するためのシンチグラフ用放射性医薬品（他の画像診断法と併用）。 ・Zenas（amifampridine）：EUSA Pharma SAS；成人のLambert-Eaton筋無力症症候群患者（LEMS）に対する対症療法として。 ・Adcirca（tadalafil）：Eli Lilly Nederland B.V.；肺動脈高血圧に対して。 ・Angiox（bivalirudin）：The Medicines Company UK Ltd；初期経皮的冠動脈インターベンション（PCI）を実施しているST部心筋梗塞患者に対して（適応拡大）。 ・Eli Lilly Nederland B. V.のCymbalta（duloxetine）およびBoehringer Ingelheim International GmbHのXeristar（duloxetine）；大うつ病性障害治療として（適応拡大）。 ・Boehringer Ingelheim International GmbHのMicardis（telmisartan），Bayer Schering Pharma AGのPritor（telmisartan）およびKinzalmono（telmisartan）；顕著なアテローム心血管疾患，または標的組織損傷が確認された2型糖尿病患者における心血管疾患の低減（適応拡大）。

FDA／FDA NEWS RELEASE（2009.10.26）

米FDA，GlaxoSmithKline PLCおよびGenmab A/Sの慢性リンパ性白血病治療薬Arzerra（Ofatumumab）を承認

安全性情報

小児および思春期における第二世代抗精神病薬（Aripiprazole，Olanzapine，Quetiapine，Risperidone）の初回使用中の心臓代謝リスク（有意な体重増加との関連）：コホート研究

Correll C.U.（Zucker Hillside Hosp.，Glen Oaks／USA），ほか JAMA302（16）1765－1773／（2009.10.28） ※編集部注：同誌同号p.1811にVarleyらの論説が掲載されています。

マクロライド系薬剤（Erythromycin，Clarithromycin，Azithromycin）誘発のDigoxin中毒：集団ベースの研究

Gomes T.（Inst. for Clin. Evaluative Sciences，Toronto／Canada），ほか Clin. Pharmacol. Ther. 86（4）383－386／（2009．10）

安定状態の腎移植患者においてSirolimusと比較したTacrolimusによるMycophenolic Acid暴露増加：薬物動態に及ぼす影響

Braun F.（Universitaetsklinikum Schleswig-Holstein，Kiel／Germany），ほか Clin. Pharmacol. Ther. 86（4）411－415／（2009．10）

Warfarinの相互作用：Drug Information CompendiaおよびFDAが承認したWarfarin Sodium（Coumadin）のラベルに記載の薬剤，生物学的製剤，食品および栄養補助食品の比較

Anthony M.（Critical Path Inst.，Tucson／USA），ほか Clin. Pharmacol. Ther. 86（4）425－429／（2009．10）

RoflumilastおよびRoflumilast N－Oxideの薬物動態に及ぼすRifampicin（Eremfat）の影響：男性健常者におけるオープンラベル試験

Nassr N.（Nycomed GmbH，Konstanz／Germany），ほか Br. J. Clin. Pharmacol. 68（4）580－587／（2009．10） Rifampicinとの併用によるroflumilastのAUCとCmax低下，roflumilast N－OxideのAUC低下とCmax増加などについて記載されている。

Propylthiouracilへの子宮内暴露後の妊娠転帰，甲状腺機能障害および胎児の甲状腺腫：コホート研究

Rosenfeld H.（Hebrew Univ. Hadassah Med. Sch.，Jerusalem／Israel），ほか Br. J. Clin. Pharmacol. 68（4）609－617／（2009．10） Propylthiouracilはヒトへの主要な催奇形物質ではないように思われたが，胎児／新生児の甲状腺腫を伴う，もしくは伴わない，甲状腺機能低下症を引き起こす可能性がある。

血中脂質プロファイルに及ぼすSpironolactoneの短期的影響（LDL増加，HDL低下など）：多毛症の若年女性のコホートにおける3ヵ月間の研究

Nakhjavani M.(Univ. Tehran，Tehran／Iran)，ほか Br. J. Clin. Pharmacol. 68（4）634－637／（2009．10）

抗凝固剤の副作用

Veiraiah A.（Cardiff Univ. Sch. Med.，Cardiff／UK），ほか Adverse Drug Reaction Bulletin（258）991－994／（2009．10） 全ての抗凝固剤に関連した出血リスクの上昇，warfarinに関連した胎児異常および皮膚反応，heparinに関連した骨粗鬆症，血小板減少症，過敏性反応などについて記載されている。