海外安全性情報速報
JAPIC Pharma Report 海外医薬情報（速報）

No.766　2011年1月13日発行

承認関連情報

FDA／MedWatch（2010.12.23）

Pfizer Inc.，Lipitor（Atorvastatin）19000ボトルを米国において回収，異臭に関する苦情を受けて

FDA／MedWatch（2010.12.22）

米FDAおよびAbbott，6ブランドの血糖検査ストリップ（Precision Xceed Pro，Precision Xtra，Medisense Optium，Optium，OptiumEZ，ReliOn Ultima）359ロットの米国およびプエルトリコにおける回収を発表 試験紙への吸収が不十分で，誤って低血糖値となる可能性があるとして。

FDA／MedWatch（2011.1.1）

Cumberland Pharms. Inc.，Acetadote（Acetylcysteine）注射剤6ロットを米国において自主回収 一部のバイアルにおいて粒子状物質が見つかったため。

FDA／MedWatch（2011.1.6）

米FDAおよびTeva Pharms. Industries Ltd，Metronidazole錠1ロット75ボトルの自主回収を発表 一部の錠剤が低用量の可能性があるため。

FDA PRESS RELEASE（2011.1.7）

米FDA，ProStrakan Group PLCの癌患者向け鎮痛剤Abstral（Fentanyl）を承認

安全性情報

高脂肪食または低脂肪食と同時摂取した経口Pazopanibの進行固形癌患者における薬物動態・安全性プロファイル：Phase I試験

Heath E.I.（Wayne State Univ.，Detroit／USA），ほか Clin. Pharmacol. Ther. 88（6）818－823／（2010．12） 高脂肪食または低脂肪食とpazopanibを同時摂取すると，CmaxおよびAUCが約2倍に増加した。

Paracetamol（Acetaminophen）口腔内崩壊錠：小児における重度の中毒リスク；レトロスペクティブ症例研究

Ceschi A.（Swiss Toxicological Information Centre，Zurich／Switzerland），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol.67（1）97－99／（2011．1）

潜在性二分脊椎の若年患者におけるMoxifloxacinによるてんかん重積状態：1症例の初めての報告

Qiao L.（Capital Univ. Med. Scis.，Beijing／China），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol.67（1）103－104／（2011．1）

Lamotrigineと重篤な皮膚反応

Medicines Safety Update（Australian Prescriber Volume 33，Number 6，Dec. 2010；p.182-185） 2010年9月までに，豪TGAはlamotrigineによる有害反応が疑われる552件の報告を受け，そのうち43件（8％）がスティーブンス・ジョンソン症候群（SJS）および／または中毒性表皮壊死融解症（TEN）であった。lamotrigineとvalproateの併用はSJSまたはTENの発症リスクを増加させることなどについて記載。

セロトニン症候群：注意喚起

Medicines Safety Update（Australian Prescriber Volume 33，Number 6，Dec. 2010；p.182-185） オーストラリアにおける最近の研究で，セロトニン症候群を引き起こす可能性がある薬剤（モノアミンオキシダーゼ阻害剤，SSRI，tramadol，venlafaxineなど）の併用率が高いことが示されたことなどについて記載。

薬剤誘発の急性アカシジア

Medicines Safety Update（Australian Prescriber Volume 33，Number 6，Dec. 2010；p.182-185） 2010年9月までに，TGAはアカシジア197件の報告を受けた。原因と疑われる薬剤は抗精神病剤，抗うつ剤，制吐剤など広範囲に渡ったが，抗精神病剤が報告の62％を占めたことなどについて記載。

Etonogestrelインプラント（Implanon）とCarbamazepineの相互作用による予定外妊娠

Medicines Safety Update（Australian Prescriber Volume 33，Number 6，Dec. 2010；p.182-185） 2010年8月までに，TGAはImplanonとcarbamazepineの相互作用によって避妊に失敗し，予定外妊娠となった32件の報告を受けた。Implanonの効果を減弱する可能性があるその他の薬剤などについて記載。

Clozapineと生命を脅かす胃腸運動低下

Canadian Adverse Reaction Newsletter（Volume 21，Issue 1，January 2011／4pp） 2010年7月15日時点で，Health Canadaはclozapineの使用との関連が疑われる胃腸の有害反応報告704件を受け取った。そのうち腸閉塞患者を含む28例の死亡が特定された。本剤を服用する患者は便秘の発生についてモニターすべきであることなどについて記載。

Case Presentation：Bio-Alcamid軟組織体内プロテーゼと遅発感染の疑い

Canadian Adverse Reaction Newsletter（Volume 21，Issue 1，January 2011／4pp） 抗レトロウイルス薬の使用による顔面の脂肪組織萎縮症治療用Bio-Alcamidについて，2009年4月にHealth Canadaは，過度に顔面の左側が腫れた患者1例の報告を受け取った。2006年に植込んだ本製品の物質に関連した感染症が疑われたことなどについて記載。