海外安全性情報速報
JAPIC Pharma Report 海外医薬情報（速報）

No.834　2012年6月7日発行

承認関連情報

今回，該当するニュース情報はございません。

安全性情報

糖尿病または糖尿病ではない患者におけるAspirinの使用と大出血の関連性：集団ベースのコホート研究

De Berardis G.（Consorzio Mario Negri Sud，S. Maria Imbaro／Italy），ほか JAMA 307（21）2286－2294／（2012．6．6） 集団ベースのコホートにおいて，aspirinの使用は胃腸または脳の大出血のリスク増加と有意に関連していたが，糖尿病患者ではこの関連性はみられなかった。 ※編集部注：同誌同号p. 2318にSiller-Matulaの論説が掲載されています。

Prasugrelの活性代謝物への暴露と臨床転帰の関連性：TRITON‐TIMI 38サブスタディ

Riesmeyer J. S.（Eli Lilly and Company，Indianapolis／USA），ほか J. Clin. Pharmacol. 52（6）789－797／（2012．6） Prasugrel維持投与中の活性代謝物への高い暴露は出血リスクの増加に関連していた。

Ruxolitinib（INCB018424 Phosphate）経口投与の薬物動態および薬力学に及ぼすCYP3A4の阻害または誘導の影響：健常志願者におけるクロスオーバー試験

Shi J. G.（Incyte Corp.，Wilmington／USA），ほか J. Clin. Pharmacol. 52（6）809－818／（2012．6） Ketoconazoleおよびerythromycinとの併用投与により，ruxolitinibのAUCが増加し，rifampinとの併用によりAUCが低下した。

Darunavir（Prezista）／Ritonavir（Norvir）と脂質低下薬Rosuvastatin（Crestor）の定常状態における薬物動態学的相互作用：Phase I無作為化試験

Samineni D.（Univ. Cincinnati，Cincinnati／USA），ほか J. Clin. Pharmacol. 52（6）922－931／（2012．6） これら薬剤の併用により，rosuvastatinのAUCおよびCmaxが増加した。

Panax ginsengがCYP3A活性およびP糖タンパク活性に及ぼす影響：健常志願者におけるクロスオーバー試験

Malati C. Y.（NIH，Bethesda／USA），ほか J. Clin. Pharmacol. 52（6）932－939／（2012．6） P.ginsengの併用により，CYP3A基質であるmidazolamのAUCおよびCmaxが低下し，t1／2が短縮した。

QuercetinがCYP3A活性に及ぼす影響：中国の健常男性における無作為化クロスオーバー試験

Duan K.-M.（Third Xiangya Hosp. Central South Univ.，Changsha／China），ほか J. Clin. Pharmacol. 52（6）940－946／（2012．6） 特に遺伝子型CYP3A5*1／*1およびCYP3A5*1／*3の保有者において，quercetinの併用によりCYP3A基質であるmidazolamのAUCが低下し，t1／2が短縮した。

New Insights：向精神薬（抗精神病薬，抗不安薬，催眠薬，鎮静薬，抗うつ薬）と転倒の用量反応関係；認知症の養護施設居住者における観察コホート研究

Sterke C. S.（Nursing Home Smeetsland，Rotterdam／Netherlands），ほか J. Clin. Pharmacol. 52（6）947－955／（2012．6）

Candesartanの妊娠中の使用と胎児奇形

Medicines Safety Update（Australian Prescriber Volume 35，Number 3，June 2012；p.98-101） 豪TGAは，candesartanやその他のアンジオテンシンII受容体阻害剤，ACE阻害剤は妊娠中において禁忌であることなどについて，医療専門家に再度注意喚起した。TGAは，妊娠中のcandesartan，irbesartan，enalapril，lisinopril，perindopril，captoprilの使用による胎児奇形の報告を受けたことなどについて記載。

Zolpidemに関連した異常な睡眠関連イベントおよび健忘症の継続した報告

Medicines Safety Update（Australian Prescriber Volume 35，Number 3，June 2012；p.98-101） TGAはzolpidemの使用に関連した，危険で複雑な睡眠関連行動，健忘症および幻覚の報告を継続して受けている。最近の試験で睡眠薬（temazepam，zolpidemなど）により死亡の危険性が増加することが示されたことなどについて記載。

処方時における腎機能評価

Medicines Safety Update（Australian Prescriber Volume 35，Number 3，June 2012；p.98-101） 選択的に腎臓で排出される薬剤を処方する際には，Cockcroft－Gault式を用いて患者のクレアチニンクリアランスを算出するべきであることなどについて記載。

Chlorhexidineを浸透させた中心静脈カテーテルによるアナフィラキシー

Medicines Safety Update（Australian Prescriber Volume 35，Number 3，June 2012；p.98-101） TGAは，これらのカテーテルを使用する前にchlorhexidine過敏症の既往を調査するべきであると，医師に対して再度注意喚起したことなどについて記載。