海外安全性情報速報
JAPIC Pharma Report 海外医薬情報（速報）

No.872　2013年3月7日発行

承認関連情報

CBG／Geneesmiddelen Voor Mensen（2013.3.4）（オランダ語）

オランダ医薬品当局College ter Beoordeling van Geneesmiddelen（CBG），Bayerのざ瘡治療薬Diane 35（Cyproterone／Ethinylestradiol）およびそのジェネリック薬を新規患者に処方しないよう医師に勧告 European Medicines Agencyは2013年2月，Diane 35の安全性懸念に対し調査を開始したこと，オランダのファーマコビジランスセンターLarebはDiane 35またはそのジェネリック薬と関連した可能性がある死亡報告10件を受けていることなど。

安全性情報

AS03アジュバント添加パンデミックA/H1N1 2009インフルエンザワクチン（Pandemrix）接種を受けた小児および若年者におけるナルコレプシーリスク増加：レトロスペクティブ解析

Miller E.（Health Protection Agency，London／UK），ほか BMJ（7897）14／（2013．3．2）

NSAIDs（Naproxen，Ibuprofen，Meloxicam，Etoricoxib）とAspirinの血小板抑制作用との干渉：健常志願者におけるプラセボ対照ex vivo連続クロスオーバー試験

Meek I. L.（Univ. Twente and Medisch Spectrum Twente，Enschede／Netherlands），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 69（3）365－371／（2013．3） Ibuprofenおよびnaproxenは，acetylsalicylic acid（aspirin）の血小板抑制作用を有意に阻害した。

関節リウマチ患者において遺伝子型GGH 354GGはMethotrexateの骨髄毒性と関連しており，遺伝子型TYMS 3G/3Gは応答不良と関連している：184例における検討

Jekic B.（Univ. Belgrade，Belgrade／Serbia），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 69（3）377－383／（2013．3）

腎移植患者においてABCB1遺伝子多型はCyclosporine誘発性腎毒性および歯肉増殖に関連している：成人患者68例における検討

Garcia M.（Univ. Extremadura，Badajoz／Spain），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 69（3）385－393／（2013．3）

Clarithromycin（Biaxin XL）による腸壁および肝臓のCYP3A阻害作用の発生速度：健常志願者12例における検討

Quinney S. K.（Indiana Univ. Sch. Med.，Indianapolis／USA），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 69（3）439－448／（2013．3） Midazolamを用いて測定したCYP3A活性は，腸壁ではclarithromycin初回投与後に64％低下し，肝臓ではclarithromycin反復投与後に有意に低下した。腸壁と比べ肝臓におけるCYP3A阻害作用の発生は遅延していた。

TicagrelorとAtorvastatinまたはSimvastatin併用の薬物動態学的相互作用試験：健常志願者における2つの無作為化クロスオーバー試験

Teng R.（AstraZeneca LP，Wilmington／USA），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 69（3）477－487／（2013．3） Ticagrelor併用により，simvastatinのCmaxおよびAUCは各々81％および56％増加した。ticagrelorとsimvastatin（＞40mg）の併用は避けるべきである。

PXR（核内プレグナンX受容体）を介したCYP3A活性誘導に及ぼすCYP3A阻害剤Ketoconazoleの影響：無作為化クロスオーバー試験

Fuchs I.（Univ. Heidelberg，Heidelberg／Germany），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 69（3）507－513／（2013．3） Ketoconazole（Nizoral）とCYP3A誘導剤St John's wort（JARSIN）の8日間連続併用投与後に，CYP3Aを介したmidazolam（Dormicum）の代謝が強く阻害された（クリアランスが81％低下）。

CYP3A4基質剤MidazolamおよびSimvastatinとAlmorexantの薬物動態学的相互作用：男性健常者における無作為化クロスオーバー試験

Hoch M.（Actelion Pharms. Ltd.，Allschwil／Switzerland），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 69（3）523－532／（2013．3） CYP3A4阻害剤almorexantとの併用投与により，midazolam（midazolam-ratiopharm）およびsimvastatin（Zocor）のCmaxおよびAUC０－∞が増加し，midazolamのt1／2が延長した。

抗うつ剤（SSRI）の子宮内暴露と小児における肺疾患（喘息など）治療薬の使用増加：コホート研究

ter Horst P.G.J.（Isala Klinieken，Zwolle／The Netherlands），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol.69（3）541－547／（2013．3）

Acenocoumarolとの現実的に最も重要な薬物相互作用の特定と重み付け：三次診療病院におけるレトロスペクティブ解析

Gschwind L.（Univ. Hosps. Geneva，Geneva／Switzerland），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol.69（3）617－627／（2013．3） 相互作用の機序，INR≧6となった頻度，出血イベントの頻度で重み付けを行ったところ，acenocoumarolとの相互作用リスクが高い28の医薬品（amiodarone，acetylsalicylic acid，esomeprazole，clopidogrelなど）が特定された。

Tramadolと経口ビタミンK拮抗剤（Warfarin，Phenprocoumon）の併用による過剰な抗凝固反応（INR上昇）リスク：レジスターに基づいたネステッドケースコントロール研究

Pottegard A.（Univ. Southern Denmark，Odense／Denmark），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol.69（3）641－646／（2013．3）

薬剤誘発のアナフィラキシー：ポルトガルのファーマコビジランス当局への報告10年分のレビュー；レトロスペクティブ分析

Ribeiro-Vaz I.（Univ. Porto，Porto／Portugal），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 69（3）673－681／（2013．3） 新生児～91歳の患者から入院や致死的な転帰に至った場合を含むアナフィラキシー報告があった。抗生物質，NSAIDs／acetaminophen，抗悪性腫瘍薬／細胞傷害性薬物，免疫調節薬，ワクチン，X線造影剤が多く関与していた。

WarfarinとCloxacillinの臨床的に重要である可能性のある相互作用（INR低下）：小児を含む3症例の報告

Khalili H.（Tehran Univ. Med. Sci.，Tehran／Iran），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 69（3）721－724／（2013．3）

統合失調症患者におけるZotepineに関連したミオパチー：1症例の報告

Chen I-M.（National Taiwan Univ. Hosp.，Taipei／Taiwan），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 69（3）725－726／（2013．3）

Ciclopirox（Ciclochem）およびAcenocoumarolの相互作用（INR上昇，直腸出血）：2症例（高齢者）の報告

Morales-Molina J. A.（Hosp. de Poniente，Almeria／Spain），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 69（3）727－728／（2013．3）

TacrolimusとVoriconazoleの静注投与から経口投与への切り替えが薬物－薬物相互作用（VoriconazoleのCYP3A4阻害作用によるTacrolimusのトラフ濃度上昇）をより顕著にさせた：1症例の報告

Spriet I.（Univ. Hosps. Leuven，Leuven／Belgiumn），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 69（3）737－738／（2013．3）

ACE阻害薬およびRibavirinに関連した咳嗽：一般的であるが不明確な素因？；1症例の報告

Milazzo L.（Luigi Sacco Univ. Hosp.，Milan／Italy），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 69（3）743－745／（2013．3） 患者は過去に咳嗽によりACE阻害薬を中断しており，C型肝炎に対するpegylated interferon α－2aおよびribavirin開始に時間的に関連のある咳嗽を発症し，治療を中断した。