海外安全性情報速報
JAPIC Pharma Report 海外医薬情報（速報）

No.889　2013年7月11日発行

承認関連情報

FDA／Recall -- Firm Press Release（2013.6.30）

Fresenius Kabi USA，パーキンソン病などの治療薬Benztropine Mesylate注射剤の4ロットを回収 一部のバイアルからガラス片がみつかったことを受けて回収されること，現在までに有害反応や苦情は報告されていないことなど。

FDA／MedWatch（2013.7.3）

米FDA，Daiichi Sankyo Co.の降圧剤Olmesartan Medoxomil（Benicar，Benicar HCT，Azor，Tribenzor）が慢性的な下痢や大幅な体重減少もたらす可能性があると警告 投与開始から数ヵ月～数年でスプルー様腸疾患を発症するおそれがあることなど。

安全性情報

パキスタンの幼児における成長および罹患率に対する微量栄養素と共に投与する毎日のZincおよびIronの効果：クラスター無作為化試験

Soofi S.（Aga Khan Univ.，Karachi／Pakistan），ほか Lancet（9886）29－40／（2013．7．6） 微量栄養素（iron，vitamin C，vitamin A，vitamin D，folic acid，zinc gluconate）投与群において，下痢の有病率，血性下痢，胸部陥凹の発生率が高かった。

Ruxolitinibに関連する進行性多巣性白質脳症：１症例（高齢者）の報告

Wathes R.（Imperial Coll. Healthcare National Health Service(NHS) Trust，London／UK），ほか N. Engl. J. Med. 369（2）197－198／（2013．7．11）

健常志願者におけるNadolol（Nadic）とItraconazole（Itrizole），Rifampicin（Rifadin），グレープフルーツジュースとの薬物動態学的／薬力学的相互作用：オープンラベルクロスオーバー試験

Misaka S.（Fukushima Med. Univ.，Fukushima／Japan），ほか J. Clin. Pharmacol. 53（7）738－745／（2013．7） ItraconazoleはnadololのCmaxとAUC0－∞を増加させ，薬力学的な作用を増強した。

Anacetrapib単回投与時の薬物動態に対して強力な薬物代謝酵素誘導剤およびOATP1B1／3トランスポーター阻害剤であるRifampinが及ぼす影響：健常被験者におけるオープンラベル試験

Anderson M.S.（Merck Sharp & Dohme Corp.，Whitehouse Station／USA），ほか J. Clin. Pharmacol. 53（7）746－752／（2013．7） CYP3A誘導剤であるrifampinの反復投与によりanacetrapibの全身暴露は65％減少した。

10倍量のLiraglutideの7ヵ月間投与がもたらしたものは軽度の副作用のみ（悪心，嘔吐，下痢などの消化器症状）：1症例（高齢者）における初めての報告

Bode S.F.N.（Univ. Med. Cen.，Freiburg／Germany），ほか J. Clin. Pharmacol. 53（7）785－786／（2013．7）

経口直接的第Xa因子阻害剤Rivaroxaban単回投与の薬物動態および薬力学に及ぼす肝障害の影響：非無作為化試験

Kubitza D.（Bayer Pharma AG，Wuppertal／Germany），ほか Br. J. Clin. Pharmacol. 76（1）89－98／（2013．7） 中等度の肝障害はrivaroxabanの全身クリアランスを低下させ，rivaroxaban暴露および薬力学的作用を増加させた。このような患者はrivaroxabanを投与されるべきでないことが示唆された。

経口fluoroquinolonesと網膜剥離

Canadian Adverse Reaction Newsletter（Volume 23，Issue 3，July 2013／6pp） カナダでは，5つの経口fluoroquinolones（ciprofloxacin，levofloxacin，moxifloxacin，norfloxacin，ofloxacin）が販売されているが，いずれのfluoroquinolonesの製品モノグラフにおいても網膜剥離のリスクは記載されていない。2012年12月31日時点で，Health Canadaは経口fluoroquinolones使用との関連が疑われる網膜剥離の報告1件（膀胱感染に対するciprofloxacin治療後に網膜剥離が発生した52歳女性）を受け取ったことなどについて記載。

有害反応とインシデント報告－2012年

Canadian Adverse Reaction Newsletter（Volume 23，Issue 3，July 2013／6pp） Canada Vigilance Programを通じて収集された健康製品（医薬品，バイオテクノロジー製品，血液製剤および生物学的製剤など）の有害反応が疑われた報告および，医療機器に関するインシデントの概要。2012年にカナダ国内から53109件の有害反応報告があった。最も多く報告された健康製品（免疫抑制剤，抗腫瘍薬など）や器官別大分類ごとの有害反応のトップ10，医療機器について8976件のインシデント報告が収集されたことなどについて記載。