海外安全性情報速報
JAPIC Pharma Report 海外医薬情報（速報）

No.973　2015年3月12日発行

承認関連情報

FDA／MedWatch（2015.3.9）

米FDA，Chantix（Varenicline）のラベルの警告欄にAlcoholとの相互作用の可能性を追加 （2015．3．9　ワシントン　AP・共同） 自殺行為など精神系の副作用に関する警告は従来通りとするが，Pfizerが精神系のリスクを検討した複数の試験および解析結果の情報が追加されることなど。

安全性情報

Case Records of the Massachusetts General Hospital：多発性骨髄腫，皮膚の硬化，関節痛，浮腫を呈する68歳の男性；1症例の報告

Wigley F.（Johns Hopkins Univ. Sch. Med.，Baltimore／USA），ほか N. Engl. J. Med. 372（11）1056－1067／（2015．3．12） 患者は強皮症腎クリーゼのリスク因子として知られるprednisoneを投与されており，最終的に強皮症と診断された。

経口投与されたTramadol（Tramal）の薬物動態におけるTerbinafine（Lamisil）およびItraconazole（Sporanox）の影響：健常被験者における無作為化プラセボ対照クロスオーバー試験

Saarikoski T.（Turku Univ. Hosp.，Turku／Finland），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 71（3）321－327／（2015．3） CYP2D6阻害剤であるterbinafineは，tramadolのAUC0-∞およびCmaxを増加させ，その代謝物であるO-desmethyltramadolのAUC0-∞およびCmaxを低下させた。

米国に居住している白人およびアジア人被験者におけるRosuvastatinの薬物動態および薬理遺伝学： オープンラベル並行群間単回投与試験

Birmingham B.K.（AstraZeneca，Wilmington／USA），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 71（3）329－340／（2015．3） Rosuvastatinとその代謝物のAUC（0-t）およびCmaxは白人と比較しアジア人で高く，この曝露の変動はSLCO1B1およびABCG2遺伝子多型に起因することが示唆された。

白人およびアジア人被験者におけるRosuvastatin，AtorvastatinおよびSimvastatin Acidの薬物動態でのABCG2とSLCO1B1遺伝子多型の影響：クラス効果？；オープンラベル無作為化クロスオーバー薬物動態試験

Birmingham B.K.（AstraZeneca，Wilmington／USA），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 71（3）341－355／（2015．3） いずれのstatinのAUC（0-t）およびCmaxも白人と比較しアジア人で高く，ABCG2C421>A遺伝子多型がstatin曝露の集団間の差異に影響を及ぼしていた。

Hydroxyzine誘発性QT延長：ファーマコビジランスの症例報告；1症例（高齢者）の報告

Vigne J.（CHU de Caen，Caen／France），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 71（3）379－381／（2015．3）

腹膜透析患者におけるLinezolid関連の血液毒性（血小板数およびヘモグロビン減少）：治療薬物モニタリングの役割；1症例（高齢者）の報告

Gervasoni C.（Luigi Sacco Univ. Hosp.，Milan／Italy），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 71（3）383－385／（2015．3）