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海外安全性情報速報
JAPIC Pharma Report 海外医薬情報(速報)
No.993 2015年8月6日発行
承認関連情報
FDA/MedWatch(2015.7.30)
米FDA,抗うつ薬Brintellix(Vortioxetine)と抗血液凝固薬Brilinta(Ticagrelor)の混同について注意喚起
処方の過誤など50件の報告があり,米FDAは,処方時に一般名および適応症を併記するよう医師に勧告している。患者が誤用した事例は報告されていないことなど。
FDA/MedWatch(2015.7.31)
米FDA,HospiraのSymbiq Infusion Systemの使用中止を呼び掛け
米国土安全保障専門家の警告を受け,サイバーセキュリティの脆弱性による医療機器の使用中止を初めて勧告していることなど。
FDA/MedWatch(2015.8.4)
米FDA,十二指腸内視鏡を再使用する前に洗浄処理を強化するよう病院に勧告
複数の病院において薬剤耐性菌感染が発生したことを受け,化学殺菌などの補足的な再処理方法を示していることなど。
安全性情報
Lithiumの腎,甲状腺,副甲状腺機能への長期影響:検査値のレトロスペクティブ分析
Shine B.(John Radcliffe Hosp.,Oxford/UK),ほか
Lancet(9992)461-468/(2015.8.1)
Lithium治療は、腎機能低下,甲状腺機能低下,高カルシウム血症と関連していた。
※編集部注:同誌同号p.415にMalhiの論評が掲載されています。
Dimethyl Fumarate治療が行われた患者における水痘帯状疱疹ウイルス感染:既報告(Dimethyl Fumarate治療が行われた患者における進行性多巣性白質脳症)に関連した1症例の報告
van Kester M. S.(Leiden Univ. Med. Cen.,Leiden/Netherlands),ほか
N. Engl. J. Med. 373(6)582-584/(2015.8.6)
Melatoninの臨床薬物動態:システマティックレビュー
Harpsoe N.G.(Univ. Copenhagen,Herlev/Denmark),ほか
Eur. J. Clin. Pharmacol. 71(8)901-909/(2015.8)
Caffeine,経口避妊薬,fluvoxamine,食事などの影響を受けた。
炎症性腸疾患に対する抗TNF-Alpha療法(Infliximab,Adalimumab,Certolizumab,Golimumab)の有害な症状(疲労):システマティックレビューおよび治療期間と応答に関するメタアナリシス
Wang F.(Zhongnan Hosp. Wuhan Univ.,Wuhan/China),ほか
Eur. J. Clin. Pharmacol. 71(8)911-919/(2015.8)
腎機能不全患者における予防投与量の低分子Heparins(Enoxaparin,Bemiparin,Certoparin)の蓄積:システマティックレビュー
Atiq F.(Erasmus Med. Cen.,Rotterdam/Netherlands),ほか
Eur. J. Clin. Pharmacol. 71(8)921-929/(2015.8)
PhenylephrineをParacetamolと併用する際における潜在的な心血管有害事象(血圧上昇,心拍数減少):シミュレーションおよびナラティブレビュー
Atkinson H. C.(AFT Pharm. Ltd.,Auckland/New Zealand),ほか
Eur. J. Clin. Pharmacol. 71(8)931-938/(2015.8)
VEGFA遺伝子の遺伝子多型はEnalaprilの降圧作用に影響する可能性がある:102例における検討
Oliveira-Paula G. H.(Univ. Sao Paulo,Ribeirao Preto/Brazil),ほか
Eur. J. Clin. Pharmacol. 71(8)949-957/(2015.8)
関節リウマチを有するインド南部タミル人における多剤耐性1(MDR1)3435C>T遺伝子多型は臨床的表現型およびMethotrexate誘発の有害事象(消化管系副作用,血液学的副作用,肝毒性など)に影響する:患者336例における検討
Muralidharan N.(Jawaharlal Inst. Postgraduate Med. Education and Res.(JIPMER),Pondicherry/India),ほか
Eur. J. Clin. Pharmacol. 71(8)959-965/(2015.8)
複数サイクル化学療法(TaxaneおよびPlatinum製剤,Anthracyclineなど)の再分極への影響とQTc延長の予測因子:女性癌患者の2000以上のECGでのプロスペクティブコホート研究
Diemberger I.(Univ. Bologna,Bologna/Italy),ほか
Eur. J. Clin. Pharmacol. 71(8)1001-1009/(2015.8)
Nalmefene(Selincro)単回投与後の重度Opioid離脱症候群:Codeine含有鎮咳剤Makatussin HustentropfenまたはMethadoneを摂取していた2症例の報告
Donnerstag N.(Kantonsspital Baselland,Liestal/Switzerland),ほか
Eur. J. Clin. Pharmacol. 71(8)1025-1026/(2015.8)
長期Methadone維持療法中のHIV/HCV重感染患者におけるSimeprevir誘発の重度離脱症候群:1症例の報告
Gervasoni C.(Luigi Sacco Univ. Hosp.,Milan/Italy),ほか
Eur. J. Clin. Pharmacol. 71(8)1027-1028/(2015.8)
静注methylprednisolone
Health Product InfoWatch(July 2015/4pp)
静注methylprednisoloneに関連した肝障害について海外症例28例が発表されたことにより,安全性レビューを開始した。Health Canadaは,発現するまでの時間変化により静注methylprednisoloneと肝障害の発生には関連性のエビデンスがあると結論付けた。肝障害リスクに関する入手可能なエビデンスをより反映させるため,Solu-MedrolおよびSolu-Medrol Act-O-Vialsについてカナダの処方情報を改訂した。ジェネリックの製造業者もまた,製品情報を改訂する予定であることなどについて記載。
Tecfidera(dimethyl fumarate)
Health Product InfoWatch(July 2015/4pp)
この安全性レビューはTecfidera(dimethyl fumarate)に関連する過敏症反応のリスクの可能性について評価した。Health Canadaは,推奨された方法で使用した場合は,Tecfideraの総合的なベネフィットはこのリスクを依然上回ると結論付けた。重度の潮紅反応だけでなく血管浮腫およびアナフィラキシーを含めた,過敏症反応に関する情報を提供するため,Tecfideraについてカナダの処方情報を改訂したことなどについて記載。
認知症患者におけるrisperidoneと脳血管系有害事象のリスク
Medicines Safety Update Volume 6,Number 4,August 2015;p.1-3
医療専門家は,risperidoneの製品情報(PI)が,認知症における適応の制限(血管性認知症や混合型認知症に対する使用を適応から除く),および短期管理のみとする使用制限(12週を超えるべきではない)について更新されたことを通知された。Janssen-Cilagより豪TGAに提出された臨床試験において,血管性または混合型認知症に対してrisperidoneが投与された患者の心血管系有害事象のリスクが,アルツハイマー型認知症患者と比較して上昇することが示された。TGAは,1993年から2015年5月18日までにrisperidone投与患者における脳血管系有害事象の報告を17件受けていることなどについて記載。
特に乾癬患者におけるinfliximabと非メラノーマ性皮膚癌(NMSCs)
Medicines Safety Update Volume 6,Number 4,August 2015;p.1-3
TGAのレビューおよびinfliximab投与患者におけるNMSCsの国際的な有害事象データを受けて,2014年9月にinfliximabのPIが更新され,「使用上の注意」の項目に「乾癬患者において,特に先行する長期の光線療法を受けている患者において,NMSCsについて監視すべきである」が追加され,「有害事象」の項目に基底細胞癌および扁平上皮癌が追加された。infliximab投与患者の多くは他の免疫抑制剤に曝露しているため,皮膚癌リスクが上昇すること,infliximab(Remicade)は関節リウマチに対してmethotrexateと併用されることなどについて記載。
tramadol経口滴剤は12歳未満の小児に対して投与しないこと
Medicines Safety Update Volume 6,Number 4,August 2015;p.1-3
医療専門家は,tramadol経口滴剤の12歳未満における使用は承認されておらず,PIにおいて服用指示は提供されていないことについて再注意喚起された。TGAは,tramadol経口滴剤服用後にその毒性により死亡した2歳のオーストラリア人症例を受け,レビューを行った。小児における安全性と有効性は確立されていないこと,本剤(100mg/mL)の小児への投与は過量投与となるリスクがあることなどについて記載。
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