海外安全性情報速報
JAPIC Pharma Report 海外医薬情報（速報）

No.1143　2018年8月2日発行

承認関連情報

FDA NEWS RELEASE（2018.7.30）

米FDA，Progenics Pharms. Inc.のAzedra（Iobenguane I 131，静注製剤）を承認，12歳以上の切除不能で全身抗癌療法を必要とする褐色細胞腫または傍神経節腫に対する初めての治療薬として

安全性情報

ハイリスクの高齢者におけるWarfarinと他の医薬品（Cotrimoxazole，Amiodaroneなど）の併用による出血イベント：メタアナリシスとイタリアにおける集団ベースの調査 Bleeding events attributable to concurrent use of warfarin and other medications in high-risk elderly: meta-analysis and Italian population-based investigation

Rosanna Irene Comoretto（University of Milano-Bicocca，Milan／Italy），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 74（8）1061－1070／（2018．8）

抗レトロウイルス治療を開始した患者における一次治療レジメン（Tenofovir，Lamivudineなど）と副作用（浮動性めまい，不眠症など）：横断解析 Adverse reactions associated with first-line regimens in patient initiating antiretroviral therapy

Jullye Campos Mendes（Universidade Federal de Minas Gerais–UFMG，Belo Horizonte ／Brazil），ほか Eur. J. Clin. Pharmacol. 74（8）1077－1088／（2018．8）

Monthly Recap of Health Product Safety Information

Health Product InfoWatch（July 2018／6pp） 2018年6月に医療専門家および消費者に対して行われた勧告や安全性レビューの概要。Blincyto（blinatumomab）による小児のあえぎ症候群，dolutegravir含有医薬品（Tivicay，Triumeq，Juluca）に曝露した母親から出生した乳児における神経管欠損などについて記載。

製品モノグラフの更新：Imbruvica（ibrutinib）

Health Product InfoWatch（July 2018／6pp） Imbruvicaのカナダ製品モノグラフの警告および使用上の注意，市販後副作用の項目に，心室性頻脈性不整脈のリスクが含められた。Imbruvicaによる治療を受けた患者（特に心臓のリスク因子，高血圧，急性感染，および不整脈の既往がある患者）において，一部致死的転帰を含む心室性頻脈性不整脈のイベントが報告されている。医療専門家はImbruvicaによる治療を受けた全ての患者において，不整脈を定期的にモニターすべきである。動悸，頭部ふらふら感，失神，胸部不快感，呼吸困難の新規発症など不整脈の症状を発現した患者について，臨床的評価を行い，必要があれば心電図検査を行うべきであることなどについて記載。

Vaccine Safety Biannual Summary：2017年7月1日～12月31日の報告

Health Product InfoWatch（July 2018／6pp） 同期間中，Canada Vigilance Programはワクチンが引き起こした疑いがある免疫後有害事象の報告を270件受けた。重篤な報告は166件（61％）であった。報告（重篤および非重篤）数が最も多かったのはインフルエンザワクチン（46%）であり，次いで帯状疱疹ワクチン（19％）および肺炎球菌ワクチン（18%）であった。転帰死亡であった報告が6件存在し，1件はZostavax（弱毒生帯状疱疹ワクチン），5件はインフルエンザワクチンについての報告であった。最も高頻度に報告された有害事象（重篤および非重篤）は，発熱，倦怠感，注射部位紅斑，悪心，疼痛であった。新たな安全性のシグナル（安全性の問題の可能性）は同期間中に特定されなかったことなどについて記載。